「感想は?」
「120分を超えていて、やはり少し冗長。しかし、基本ラインは面白い」
「どこが面白い?」
「人間の差別と殺し合い」
「UFOとか超能力じゃなくて?」
「UFOや超能力が実はどうでもいいところが良いところ」
「他に気づいたことは?」
「この映画は見始めてトンデモ臭がした」
「UFOだから?」
「もっち根深いところで」
「だからダメ?」
「トンデモ臭は実は最終的にどうでもいい内容であった。これはこれで良い」
「話はそれだけ?」
「いいや。同じトンデモ臭をシン・ゴジラでも感じた」
「まさか。参考にした?」
「そこまでは知らん」
「じゃあ、ブルークリスマスとシン・ゴジラは似ている映画?」
「そうでもない。ブルークリスマスの場合トンデモ臭はフェイクと結びついている。最後まで見ると消える。シン・ゴジラは作品の軸と結びついているから、きつくなる一方で進行して終わる」
「じゃあさ。2本の映画を比較するとどう感じるのだ?」
「ブルークリスマスのトンデモ臭を理解せずに真似ると危険。無意味にトンデモ映画の沼に落ちる」
「ブルークリスマスは沼に落ちていないわけだね」
「ブルークリスマスが描くのは寓話であり、筋が通らないことは実はどうでもいい。その向こう側に見える軸がしっかりしているから、見ていられる」